2005年 08月 29日
少年時代の音と匂い |
夜12時頃、現在の札幌の家でくつろいでいると突然、船の汽笛が聞こえてきたのである。私はその刹那、昔過ごした函館の鉄道官舎の家の部屋や、中央埠頭から見た夜明け前の函館港をありありと眼前に見たような気がした。幻聴か、と思った。結局、その音は家の冷蔵庫の音であったが・・・
音や匂いというものは記憶を実に鮮明に誘起させるものだ。その土地、場所、時代には独特の音や匂いがあるものだ。少年時代の匂いや音について言葉で語るのはいささか困難を感じるがあえて語ってみよう。
午後5時をまわり陽が傾くと鉄道官舎では各家庭で一斉に夕飯の仕度が始まる.遊んでいると各家庭から飯,煮物の匂い,あるいは魚を焼く香ばしい匂いがあふれ出す.相撲中継の音が茶の間から流れてくる.我らの家でも夕飯が近い.少年らは最後の一遊びに精を出すのである.
昼間遊んでいると,時として魚の腐ったような匂いが街中に充満することがある.東の風に乗って湯の川方面にあるするめ工場の匂いが漂ってくるのである.
夜,12時頃.街はひっそりと寝静まる.すると,風に乗って港に停泊する船の汽笛の音が聞こえてくる.
朝,4時か5時頃.遠くからゴーッと地鳴りの様な音が響くのである.漁に出ていたイカ釣り船や漁船が一斉に港や浜に戻ってくる音である.
音や匂いというものは記憶を実に鮮明に誘起させるものだ。その土地、場所、時代には独特の音や匂いがあるものだ。少年時代の匂いや音について言葉で語るのはいささか困難を感じるがあえて語ってみよう。
午後5時をまわり陽が傾くと鉄道官舎では各家庭で一斉に夕飯の仕度が始まる.遊んでいると各家庭から飯,煮物の匂い,あるいは魚を焼く香ばしい匂いがあふれ出す.相撲中継の音が茶の間から流れてくる.我らの家でも夕飯が近い.少年らは最後の一遊びに精を出すのである.
昼間遊んでいると,時として魚の腐ったような匂いが街中に充満することがある.東の風に乗って湯の川方面にあるするめ工場の匂いが漂ってくるのである.
夜,12時頃.街はひっそりと寝静まる.すると,風に乗って港に停泊する船の汽笛の音が聞こえてくる.
朝,4時か5時頃.遠くからゴーッと地鳴りの様な音が響くのである.漁に出ていたイカ釣り船や漁船が一斉に港や浜に戻ってくる音である.
by syounenjidai
| 2005-08-29 23:03
| 小学低学年の時のこと